女性専用風俗、通称「女風」——。
この言葉に対して、興味・不安・期待・偏見、いろんな感情を抱く人がいます。
「女風って、どこまで自分勝手でいていいの?」
今日は、その立ち上げメンバーである東雲いろはと朝霧すず子のふたりが、このメディアを「どんな場所にしたいのか」をテーマに、ゆるく、でも本気で語ります。
やさしくされたくて迷ってるなら、まずはここから。
「女風note」ってどういうつもりで始めたんですか?

朝霧すず子すず子: いろはさん、「女風note」って、最初どういう気持ちで始めたんですか?



いろは: …あー、うん、正直ちょっとめんどくさかった。でも、やらなきゃって思ったのは確か。



すず子: めんどくさい、からの「やる」って、どういう心境だったんですか?



いろは: うーん…いろんな感想があふれてる中で、女風の“本質的な体験”にちゃんと向き合ってるものが少なかったの。甘さと感情に飲まれすぎてて、逆に危ういなって思って。



すず子: 危うい、ですか?



いろは: うん。何かを感じたときに、それが「一時的な欲」なのか、「自分の本当の願い」なのか、境目が見えないまま突っ込んじゃう人が多すぎる。自分のニーズに気づかないままサービスを消費するって、結構リスキーなんだよ。
感情より、ニーズをちゃんと見つめるために





すず子: たしかに、「癒されたかった」って言いながら、何が癒されてないかはよく分かってない人、多いかもしれません。



いろは: そう。それが悪いわけじゃないんだけど、「よくわかんないけど寂しいから抱きしめられたい」っていう衝動で動いて、あとで「なんか違った」ってなるのはもったいないよね。



すず子: ちゃんと観察して、感情を整理して、ニーズを言語化して……それができれば、女風ってもっと建設的に使えるんですね。



いろは: そう。体を預けるって、ある意味では“言葉にできなかったものを差し出す”行為だから。だからこそ、どこまでが「自分の責任」かを理解してる必要がある。



すず子: つまり、自分の“望み”を持って行くってこと。



いろは: そう。何を求めてるのか明確にしてから受け取る。それが、最も誠実な「遊び方」だと思ってる。
利己的であることは、悪いことですか?





すず子: あの、ひとつ聞きたかったことがあって……。「自分の欲求を優先するのって、自己中なんじゃないか」って、不安になる人、多いと思うんです。



いろは: あー、それね。よくある誤解。欲を言語化することと、他人を踏みつけることは全然違う。



すず子: でも、女性って「わたしばっかり求めすぎてるかも…」って罪悪感抱きやすくないですか?



いろは: それこそ呪いだよ。自分を優先する=誰かを傷つける、じゃない。むしろ、きちんと自分を尊重している人は、相手も尊重できる。利己性って、バランス取れてれば美徳なのよ。



すず子: だから、「私はこういうふうにされたい」って言っていいんですね。



いろは: むしろ言わなきゃ危ない。相手が空気読んでくれるなんて、幻想だもん。
“選ぶこと”を、自分に許すということ





すず子: 女風って、どうしても“選ばれる側”のイメージがある気がして……。



いろは: あー、ありがちだね。でも実際は、客がセラピストを選んでいいし、選ぶべき。



すず子: でも、「人気だから」とか「評判いいから」で決めがちですよね。



いろは: それ、いちばん危ないやつ。評判=あなたに合う、じゃない。ちゃんと「この人と自分が心地よくいられるか」って基準で選ばないと、どんなに良いサービスでも“ズレ”が生まれる。



すず子: つまり、自分にとっての“誠実な選択”をするってことですね。



いろは: そう。自分に対して正直でいることは、相手への誠意でもあるの。
実際に“やらかした”こと、ありますか?





すず子: あの……いろはさんって、これまで女風で「やらかしたな」って思うことあります?



いろは: ……あるよ、当然。最初の頃、口コミ信じて人気セラピスト呼んだんだけど、会話のリズムも価値観も全然合わなくて。時間がただ流れてく感じ。で、こっちも「期待してたのに」って勝手にモヤモヤしてた。



すず子: わたしも、相手の「優しさ」に感動したつもりが、あとでそれがテンプレだったって気づいて、余計に傷ついたことあります。



いろは: そうそう。結局、自分の”期待”と”準備不足”が重なって事故るんだよね。だから記事にも書くけど、”準備が8割”なの。



すず子: 「プレイ内容」より「自分の状態」に責任を持つって、大事ですね。
「女風note」を通じて伝えたいこと





すず子: ここまで話してきて思うんですけど、「女風note」って、いろはさんにとって何なんですか?



いろは: 一言で言えば、“言葉の避難所”。



すず子: 避難所……?



いろは: うん。感情がぐちゃぐちゃになったとき、自分の気持ちが言葉にならないとき、それでもどこかで整理したくなるでしょ。そういうときに、「ここ読んでみて」って出せる場所。



すず子: それって、読者にとっても、セラピストにとっても安心ですね。



いろは: そう。ここを通して、「自分をどう扱うか」を学べる。ちゃんと考えて、感じて、言葉にして、選ぶ。その繰り返しが、風俗という非日常を“暴走”じゃなく“自己決定”に変える。
私たちは、何を守りたいのか





すず子: 女風って、実は“自由すぎる”世界でもあるじゃないですか。ルールが明確にないというか。



いろは: だからこそ、「自分の軸を持ってる人」が、最強に自由になれる世界でもある。



すず子: 軸ってなんですか?



いろは: 自分の感情を観察する力、自分の願いを言葉にする力、そして相手にリクエストできる勇気。その3つ。



すず子: すごくシンプルだけど、できてない人多いかも。



いろは: でも、それができれば、セラピストを「選んでいい」し、合わなければ「断っていい」し、気持ちがズレたら「離れていい」。それを“わがまま”って言う人には、「じゃあ、あなたは誰の人生を生きてるの?」って返す。
これからの「女風note」に必要なもの





すず子: 最後に……いろはさんがこれから「女風note」に期待するものって何ですか?



いろは: うーん……静かに、でも確かに、“本音を持ち寄れる場所”かな。



すず子: 本音。



いろは: うん。SNSって騒がしいじゃん。正しさと承認欲求が交差しすぎてて、疲れる。でもここでは、正しさも間違いも横に置いて、「あなたは何を感じたの?」ってだけを拾える場所でありたい。



すず子: わたしも、ちゃんと「揺れていい」って思える空間にしたいです。



いろは: そう。揺れて、気づいて、また選び直す。その繰り返しに寄り添えるなら、いい仕事してるなって思う。
おわりに
ちゃんと“わがまま”になれた人から、女風は楽しくなる。
「女風note」は、女性たちの小さな違和感や不安、でもちょっとした好奇心や遊び心に、静かに寄り添う場所です。
東雲いろはと朝霧すず子、ふたりの視点が交差することで、“斬る”と“受け止める”が同時に存在する、そんな唯一の場所をこれからも育てていきます。












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